PLAN75は現実に起きるのか?老後の未来予想と映画レビュー

plan75

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映画「PLAN75」の舞台は少子高齢化がさらに進んだ近未来の日本。

満75歳から生死の選択権が与えられる「プラン75」という制度が施行された日本で、その制度に翻弄される人々が描かれています。

「生死」という究極の選択肢を突きつけられた人間は何を感じ、どう生きるのか。彼らは一体どんな決断を下すのか。SF映画のように「絶対にあり得ない世界」とは言い切れないのがPLAN75の世界です。

今回はPLAN75は現実に起きうるのかという考察と、映画を鑑賞した筆者を含むSNS上のコメントを交えてご紹介します。

PLAN75配信状況

配信サイトU-NEXTHuluABEMAleminoNetflixFODPREMIUMtelasadmmtv
月額料金600円2,189円1,026円960円990円790円〜976円618円550円
無料期間30日31日なし2週間31日なしなし14日間30日間
PLAN75配信形態レンタルレンタル
入会ポイント利用可能
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公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

映画「PLAN75」概要

PLAN75

PLAN75

 (3.5)

75歳以上が自ら生死の選択権を与えられる「プラン75制度」が施行。少子高齢化が一層進んだ近い将来の日本を描く。

原題PLAN75
製作ハピネットファントムスタジオ
公開日2022年6月17日
上映時間112分
ジャンルSF/ドラマ
監督・脚本早川千絵
キャスト角谷ミチ:倍賞千恵子
岡部ヒロム:磯村隼人
岡部幸生:たかお鷹
成宮瑶子:河合優実
マリア:ステファニー・マリアン

主な受賞

第75回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション「ある視点」部門 カメラドール特別表彰

第46回日本アカデミー賞 主演女優賞 脚本賞受賞

興行収入と観客動員数

2022年6月に公開後、1ヶ月で動員数20万人を突破し、興行収入は2.5億円を超えました。いわゆるミニシアター系の映画としては異例のヒットと言えます。

あらすじ

高齢化社会が進んだ近未来の日本。超高齢化政策として満75歳を過ぎると生死の選択権を与えられる「プラン75」が施行され、制度を利用する高齢者は多くなっていた。

夫と死別して一人で暮らす角谷ミチ(倍賞千恵子)はホテルの客室清掃員として生活をしていたが、ある日同僚が勤務中に倒れたことをきっかけにホテルから解雇されてしまう。

孤独からプラン75を検討する人たちが増える

職を失い、住む場所も失いかけることになったミチはプラン75の利用を検討し始める。

市役所で働く岡部ヒロム(磯村隼人)は、高齢者にプラン75の利用説明と申請を促す中、叔父がプラン75を利用することにしたことを受け、制度に疑問を抱き始める。そしてヒロムはある事実にたどり着く。

プラン75制度に疑問を持つ若者たち

プラン75の利用、即ち死を選択した高齢者の声に寄り添うコールセンタースタッフの成宮瑶子(河合優実)はミチと電話で会話するうちに、ヒロム同様にこの制度に対して疑問を感じるようになっていく。

介護職員として日本で働くマリア(ステファニー・マリアン)は自身の娘の手術費用の為に、高給である遺品整理スタッフとしてプラン75に関わることになるのだが、彼女もまた複雑な想いで仕事をするのであった。

制度の対象者として生きるミチ、いずれは自分の身に起こることではあるがどこか他人事として生きていたはずのヒロムと瑶子、娘の為に日本の制度に飲み込まれていくマリア。「自己責任」が叫ばれる社会で、彼らが下す決断とは。

PLAN75は現実世界でもありえるのか

介護

満75歳から生死の選択権を与えられたら、あなたはどうしますか?

世界的に高齢化が進む現代。日本は特に高齢率が高く、年金問題、社会保険料、介護問題…高齢化に付随する問題が山積みなのが現実です。

ここでは世界の高齢化と安楽死の観点から、「PLAN75」は現実世界でもあり得ることなのかを見ていきます。

  • 高齢化は現実問題
  • 「安楽死」と「プラン75」の違い
  • プラン75はありえそうで恐ろしい未来

「プラン75」の実現は不可能だが世界的に高齢化は進んでいる

下記の表は、内閣府が発表している高齢化の状況です。世界総人口のうち65歳以上の人口が占める比率が上がっていることがわかりますね。

日本だけでなく世界的に高齢化が進んでいるといえます。

世界の高齢化

1950年2020年2060年
世界の総人口25億3,640万人77億9,480万人101億5,147万人
65歳以上人口1億2,870万人7億2,760万人18億1,040万人
65歳以上人口比率5.1%9.3%17.8%
参照:内閣府 高齢化の国際的動向

さらに下記の表では国別で高齢化の進んでいる国をランキングしています。日本の総人口の約3割が65歳以上という結果に。

日本はトップクラスで高齢化が進んでいることがわかります

国別高齢化ランキング

総人口に占める
65歳以上の割合(2020年)
日本28.6%
ドイツ21.7%
フランス20.8%
スウェーデン20.3%
イギリス18.7%
アメリカ16.6%
韓国15.8%
シンガポール13.4%
タイ13.0%
中国12.0%
インド6.6%
インドネシア6.3%
フィリピン5.5%
参照:https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2022/html/zenbun/s1_1_2.html

推計では2060年頃には、総人口に占める65歳以上の割合は30%台後半にまで上るとされています。

「安楽死」と「プラン75」

劇中の「プラン75」は、身体は健康でも高齢者本人が希望すれば死を選択することができる制度です。

現実には、安楽死や尊厳死といった他人の手によって死に至らしめる行為というのは存在します。欧米諸国では安楽死が法律で認められている国もありますね。

安楽死や尊厳死はあくまでも医療現場において患者の同意のもと認められているものであり、劇中の「プラン75」とは全く異なる考え方です。

安楽死と尊厳死の違い
  • 安楽死:患者本人の希望・同意のもと主治医が薬物投与によって死に至らしめる行為
  • 尊厳死:延命治療が必要な患者に対して、患者本人の希望・同意のもと延命治療を施さずに最期を迎える状態にすること

厳密には、安楽死と尊厳死は性質が異なるもので、安楽死は日本では罪に問われます。

健康な人間を自らの判断で死に至らしめる「プラン75」は現実世界において施行されることはないでしょう。

「75歳、安楽死プラン」はありえそうで恐ろしい未来

とはいえ、このまま進むといずれは超高齢化社会が訪れるであろうことを考えると、決して安心はできない恐ろしい未来だなと感じますよね。

PLAN75を観ると益々そのように感じると同時に、観た人それぞれの中に様々な価値観、感想が生まれてきます。

映画「PLAN75」の評価レビュー

口コミ

第46回日本アカデミー賞にて、主演の倍賞千恵子さんが主演女優賞を受賞、そして脚本賞も受賞した本作は、その内容でも公開当時から話題となっていました。

その結果、先述の通り、ミニシアター系の映画としては異例のヒットとなったと考えられます。

ここでは、実際に映画館で観た筆者の感想と、SNS上の反応を見ていきます。

  • 筆者の評価、感想
  • SNSの反応、評価

PLAN75を観た筆者の評価

早川監督がこの映画を作るに至った「人の命を生産性で語り、社会の役に立たない人間は生きている価値がないとする考え方は、すでに社会に蔓延している」という言葉に、自分の価値観がピタッとリンク。

公開前からとても気になっていた作品でした。

現実社会とのリンク

私の祖父母は全員75歳どころか、80歳オーバー。4人とも健全ですが、病気、手術を経て現在は車椅子生活だったり、介護ヘルパーさんの力を借りて生活しています。

「この制度がもし本当に日本にあったら、私は、私の両親は、そして祖父母自身はどうするのだろう?」観ている最中からそんな考えが頭の中を巡っていました。

加えて「気持ち悪いポイントだな」と思ったのが、劇中で制度を利用する人には10万円の支給がされたり、豪華な施設を利用できるようになるんです。

「人生頑張ったご褒美よ」と制度の利用を決めた高齢者は言うのですが、金銭的補助をメリットのようにぶら下げて死を選択させていいはずがない。とても気持ちが悪いけどクーポンを配る国ならやりかねないかもしれない、とも感じてしまって急に怖くなりました。

「自己責任」の社会

劇中には制度の当事者である3つの属性が登場します。

  • 高齢者世代
  • 制度を“サポート”する側の若者世代
  • 日本に労働に来ている外国人

全員自分を生きることに必死だけど、少し周りに目を向けると「あれ、なんかおかしいんじゃない?」と気づき、クライマックスに向かうにつれて、徐々にその違和感は大きくなり、それぞれが行動に移すことには安心感を覚えました。

最終的には、生きるも死ぬも自分の判断なのかもしれません。

でも、すべてを「自己責任」に委ねていたら、それは社会として機能していると言えるのでしょうか。今の社会は皆自分に必死で、周りへの配慮や気配りが欠けているように感じます。

それゆえ、「生産性のない人間、社会の役に立たない人間は生きている価値がない、お荷物」というような価値観を持つ人、発言をする人、悲惨な事件が後を絶たちません。

どうかこの考え方に歯止めがかかり、PLAN75のような未来にならないことを願うばかり。私はそんな風に感じざるを得ませんでした。

「PLAN75 観た」Twitterの評価

その設定で公開当時から話題となっていた映画「PLAN75」。幅広い世代の方が劇場に足を運んだと同時に、2023年2月にAmazonプライムで公開されてから「公開当時気にはなっていた」という人も多く観ている模様。Twitter上にも鑑賞した人の感想が溢れています。

一口に「面白い」という感想では終わらせられない本作。

自身の倫理観や現在の社会制度に考えを巡らせPLAN75への是非を問う感想や高い評価が多く見受けられる一方で、少々映画作品としてはマイナスな意見も。

いずれにせよ、これらの感想の多さは劇中の「プラン75」の是非に限らず、現在の社会に対して「いま一度目を向ける必要がある」と考えさせるきっかけだと物語っているように感じられます。

本作を来たる超高齢化社会に対しての警鐘として受け止めることが重要なのではないでしょうか。

PLAN75は現実に迫ってきている話

まとめ

架空の制度がある近未来の日本を描いた「PLAN75」。

制度自体はあり得ないと感じますが、高齢者の労働、孤独死、行政の対応、事業の委託、外国人労働者などとてもリアルに描かれており、「決して遠い国の話ではない」と観る人に訴えかけてくる作品です。

Amazonプライムで観ることもできるので、少しでも気になったら是非一度観て頂きたいと思います。

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