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映画『いつかの君にもわかること』は【実話】批評サイトで満足度100%の理由

映画『いつかの君にもわかること』は、世界中の映画祭で絶賛された『おみおくりの作法』の生みの親である名匠ウベルト・パゾリーニ監督の最新作です。

余命わずかなシングルファーザーが息子に遺す「新たな家族」とは?実話から生まれた希望と感動の物語です。

監督が偶然目にした新聞記事

『いつかの君にもわかること』はウベルト・パゾリーニ監督が偶然目にした新聞記事から着想を得た物語です。全編静かなトーンで、余計なものを削ぎ落とし親子のささやかな日常を描いています。

監督が目にした記事によると、死を間近に控えた男性自身が捨てられた子供で、頼る親戚もなく、選択肢は養子縁組だけでした。もし自分が同じ状況になった場合、果たしてどうするだろうかと、養子縁組させるとして、どんな家族だったら自分の子供を預けられるのか、そしてその判断は正しくできるのかと考えたそうです。

また、記事に書かれていたことが全く知らない世界のことで、養子縁組や今の社会での父親の役割について興味を持ち、これらのことが映画の骨格になっています。

英国の養子縁組制度

物語の舞台である英国での養子縁組の制度は、国家宣言型と呼ばれる裁判所の決定が必要で、養子の対象となるのは18歳未満と定められています。(ちなみに日本は年齢や置かれた状況により契約型や国家宣言型になるようです)

養子縁組の国際比較(概要)https://www.moj.go.jp/content/001270409.pdf

英国での規定では、実親の同意の要否について原則「必要」であり、また匿名性については「実親は、養子機関が選ぶ養親候補の養子縁組にあらかじめ同意できる」とあります。つまり、実親が新しい親を選ぶことができるようです。

これらを頭の片隅に置いておくだけでも、ソーシャルワーカーが懸命に養親候補を探してくれていることがわかり、物語に真実味を加えてくれるのではないでしょうか。

『いつかの君にもわかること』作品概要

タイトルいつかの君にもわかること  NOWHERE SPECIAL
監督・脚本ウベルト・パゾリーニ
キャストジェームズ・ノートン
ダニエル・ラモント
アイリーン・オヒギンズ

孤独死した人々の弔いに従事する誠実な公務員を描いた前作『おみおくりの作法』(2013)が、日本で阿部サダヲ主演の『アイ・アム まきもと』としてリメイクされたウベルト・パゾリーニが監督です。

父親であるジョンは、Netflixドラマ『ハッピー・バレー 復習の町』(14〜22)で英国アカデミー賞テレビ部門最優秀助演男優賞にノミネートされたジェームズ・ノートンが演じます。

息子であるマイケルは100人の候補者から選ばれた、本作がデビューとなるダニエル・ラモントが演じます。

あらすじ

窓拭き清掃員として働く33歳のジョンは、4歳のマイケルと二人で暮らすシングルファーザー。妻はマイケルを出産後、家を出てしまい、頼れる身内もいません。仕事に家事に育児と忙しい日々を過ごしていますが、彼は息子に打ち明けていない秘密がありました。

それは、彼の余命が残りわずかであるということでした。

残される息子のために、ジョンは養子縁組の手続きを行い、「新しい親」を探し始めます。

理想の家族を求め何組もの「家族候補」と面会をしますが、人生最大の決断を前にジョンは進むべき道を見失ってしまいます。そんな中、彼は献身的なソーシャルワーカーと出会い、自分の不甲斐なさに押しつぶされそうになりながらも、息子にとって最良の決断を模索します。

刻一刻と別れの時が迫る中、ジョンは自分が消えた後の世界で、息子に何を遺すのでしょうかーー。

米国映画批評サイト「Rotten Tomatoes」で満足度100%

米国映画批評サイトの「Rotten Tomatoes」は批評家のスコアと視聴者が投票するスコアで構成されるレビューサイトです。

「トマトメーター」と呼ばれるスコアで、作品について肯定的な意見が60%以上を占めれば「新鮮(Fresh)」な映画判断され、赤いトマトマークが付けられます。

一方で肯定的な意見が60%を下回ってしまうと「腐った(Rotten)」映画として緑色のトマトマークが付けられます。忖度のないレビューが集まることから「辛口レビューサイト」と評されることもあるそうです。

『いつかの君にもわかること』はそんな辛口サイトで、「新鮮(Fresh)」100%の高評価となっています。

満足度が高い理由

批評サイトで高評価を得た『いつかの君にもわかること』ですが、何が観客の心を掴んだのでしょうか?

本作で監督が採用したのは、繊細かつ控えめな撮影手法でした。余計な情景描写や登場人物の会話などを極力シンプルにすることによって、父と子の心情の移ろいを丁寧に描き出そうとしたそうです。そのため、監督の望む繊細な演出を表現するには、高い演技力が求められました。

父親役のジェームズ・ノートンは人生の終わりが刻一刻と近づくという過酷な運命に立ち向かいながらも、内面に抱える複雑な感情を体現、表現しています。抗うのではなく、残される息子のためにできることは何か。死を間近に感じる抑えた演技が心に響きます。

息子役のダニエル・ラモントは100人の候補者の中から選ばれ、本作でデビュー。親子として共演したジェームズ・ノートンとは、撮影前から長い時間をかけて信頼関係を築き、まるで本物のような親子関係を演じ切っています。変わりつつある父の姿に気づく繊細な演技には、切なさを感じずにはいられません。

「Rotten Tomatoes」ではやはり撮影の手法や演技について多くコメントが投稿されています。

アプローチの仕方が印象的

主役の演技が説得力ある

手元にティッシュを用意しておいた方がいい

本作はメロドラマのような、どうぞここで泣いてください!という感情的な演出を排し、シンプルで繊細な演出に拘りました。その結果、観客は親子の感情に寄り添うことができ、心に響いたのではないでしょうか。二人の繊細な演技は真実味のある親子の姿にしか見えません。

手を繋いで保育園に行き、仕事から帰れば一緒に食事をして、お風呂に入って、絵本を読み聞かせて寝かしつける。そんなささやかな生活の積み重ねが蓄積され切なさとなり、彼らを通して生と死という普遍的なテーマについて改めて考えさせられ、この映画を肯定的に捉える観客が多かったのかもしれません。

窓ガラス越しに見る人生

ジョンは窓拭き清掃員として、さまざまな家に行きますが、清掃をしていると、ふと家の中の様子が目に入ってきます。

窓ガラス越しに見る、それぞれの人生。自分が消えた後のことを、反対側にいる人たちの人生を見ることによって、ジョンは自分がいなくなった後の世界での子供の将来を思い描きます。

『いつかの君にもわかること』は繊細な演技で父と子の絆を描いています。お子さんがいる方には是非観ていただきたい作品です。溢れる涙が乾くには、エンドロールの間では短すぎるかもしれません。

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