2013年9月14日に公開された映画『劇場版 ATARU THE FIRST LOVE & THE LAST KILL』。
2012年春期にTBS系「日曜劇場」枠で放送されたドラマ『ATARU』の映画化作品です。「ATARU」は2023年5月現在において、中居正広さんが主演を務める最後の連続ドラマ作品となっています。そんな作品の映画化は興行収入18.5億円を記録しました。
本記事では、映画「ATARU」の作品概要やあらすじを紹介します。あわせて、主人公アタルとヒロインのマドカが持つ、サヴァン症候群についても解説します。
「劇場版 ATARU THE FIRST LOVE & THE LAST KILL」作品概要
人気サスペンスドラマの映画版🎬
— Prime Video(プライムビデオ) (@PrimeVideo_JP) August 2, 2022
『劇場版ATARU THE FIRST LOVE&THE LAST KILL』
見放題配信中🌐#中居正広 が演じるサヴァン症候群の青年”アタル”が、日米を揺るがす爆破事件の謎に迫る⚡#ATARU #北村一輝 #栗山千明
▶︎https://t.co/tX2vZ7rrQc pic.twitter.com/bx7t0wZjgL
製作 | 2013年(日本) |
公開日 | 2013年9月14日 |
配給 | 東宝 |
上映時間 | 120分 |
ジャンル | サスペンス、ドラマ、コメディ |
監督 | 木村ひさし |
キャスト | 中居正広、堀北真希、北村一輝ほか |
本作のあらすじ
コンピュータウイルス”ウィザード”によって鉄道の送電線破裂事件が発生し、警視庁捜査一課の沢(北村一輝)たちは捜査に乗り出す。その頃、サヴァン症候群による特殊能力を持つアタル(中居正広)が所属するFBI組織にて、同じ手口の事件が起きていた。
警視庁はウィザードを生み出した謎の女性、マドカ(堀北真希)に疑惑を向け、アタルらFBIチームも捜査本部に合流する。しかし、マドカしか知り得ない情報がアタルから差し出された事で、疑いはアタルへ向けられてしまい…。
映画ATARUの評価
本作はキャスト陣が優秀です。かなり難しい役を演じた中居正広さんの演技は圧巻ですし、堀北真希さんも挑戦的な役を上手く演じています。その他も実力派で名のあるキャストが揃い、個々のキャラクターが立っているので、サスペンスかつコメディ要素も多い複雑な脚本の良さが見事に出ています。
しかし、本作を余すところなく楽しめるかどうかは、下記の2点が最も重要になってきます。
- ドラマ版を見ているか
- 細かい矛盾を気にしない
まず、「ATARU」シリーズには独特のノリがあり、随所に小ネタを挟んでいるのが特徴です。そのため、映画版でそれらを理解し、より深いところまで楽しめるかどうかは「ATARU」を観た経験が少しでもあるかどうかで変わってきます。
また、アタルとマドカが突出した能力を持つゆえに、常人では予想もできないような展開も当然ありますし、リアルさよりも雰囲気を重視するための描写も少なくないです。この辺りをいちいち気にしていると、ストーリーに集中できずにあっという間に観終わってしまいます。
結論として、多少観る人を選ぶが、人気も納得の良作という評価になります。
アタルとマドカのサヴァン症候群とは
猪口在 さま(TBSドラマ「ATARU」より)
— おさむし (@osm4) August 3, 2018
サヴァン症候群の青年。事件現場での優れた洞察力でヒントめいたキーワードを発し、それを元に彼を取り巻く刑事が事件を解決していくミステリー。
本人はチョコザイと名乗っているが、漢字を音読みしたもの。
ご支援ありがとうございます!#金田一募金 pic.twitter.com/uxrr1UJPuc
「ATARU」シリーズの主人公アタルと、本作で登場したヒロインのマドカは、常人離れした記憶力と推理力を持ち合わせています。彼らが持つ「サヴァン症候群」という症状について解説します。これをテーマにした別の映画も紹介します。
サヴァン症候群の特徴
サヴァン症候群は、発達障害などを持つ人が、特定の分野で突出した能力を示すこと、またその人のことを指します。知的障害、自閉症がある人全てが能力を持つ訳ではなく、後天的に獲得される場合もあり、原因も多数の説がある謎の多い症状です。
症状の特徴は千差万別ですが、計算、記憶、読み、芸術などで能力が見られることが多いです。また、サヴァン症候群を持っていたと考えられる偉人が多く存在します。天才は変わり者が多い、といったイメージの一端を担っているようですね。
しかし、周囲がこのような能力を活かそうとしすぎると、本人にはかなりのプレッシャーとなることもあります。本作で事件が起きる原因も、アタルとマドカ周囲の人間の身勝手な行動に関係しています。
サヴァン症候群を題材とした映画「レインマン」の紹介
「ATARU」好きは押さえておきたい、サヴァン症候群を扱った映画「レインマン」を紹介します。
ロードムービー「レインマン」
— yaha0mizumizu (@yaha0mizumizu) May 13, 2023
チャラい弟をトム・クルーズ、自閉症の兄をダスティン・ホフマンが演じました。父親の死をきっかけに、2人が出会い、旅を共にすることになります。サヴァン症候群をダスティンの名演技により世に広めたという功績は大かと。時々、観たいなと思う大好きな映画です。 pic.twitter.com/W0B0WYbWIc
監督 | バリー・レヴィンソン |
公開日 | 1989年2月25日 |
上映時間 | 134分 |
ジャンル | ロードムービー、ヒューマンドラマ |
キャスト | ダスティン・ホフマン、トム・クルーズ、ヴァレリア・ゴリノほか |
視聴可能サイト | U-NEXT、PrimeVideo |
1989年公開のこちらの作品『レインマン』は、世間のサヴァン症候群への関心を高めた作品で、第61回アカデミー賞で作品賞を受賞した事でも有名です。
自閉症の兄と自由奔放な弟が出会い、それぞれの人生が変化していくストーリーです。専門家監修のもとで、サヴァン症候群の様子が忠実に描写されています。日本では2006年、2007年、2018年に舞台化されています。
互いの弱みを分かり合い、絆が芽生えていくストーリーは、本作の「ATARU」にも通ずるものがあります。
まとめ
今回は、2013年9月14日に公開された映画『劇場版 ATARU THE FIRST LOVE & THE LAST KILL』について紹介しました。
現在のところ(2023年5月現在)、U-NEXT、hulu、Amazon Prime Video、Netflixほか多数の配信サービスにて視聴可能です。
気になった方はぜひチェックしてみてください。
- 人気ドラマ「ATARU」の映画化作品
- ドラマ版を見ているとより楽しめる
- アタルとマドカの常人離れした能力はサヴァン症候群による
- 同テーマでのパイオニア的作品は映画「レインマン」